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協和キリン、米・Ardelyxから導入テナパノル塩酸塩の2つの国内P3結果米国学会でパネル発表-血清リン濃度有意に低下

協和キリンは2022年10月20日、 米・Ardelyxから導入したテナパノル塩酸塩(開発番号:KHK7791)の2つの国内第3相臨床試験の結果を11 月 3 日~6日開催の米国腎臓学会議(ASN Kidney Week 2022, フロリダ州オーランド)で2件のポスター発表すると発表した。同臨床試験は維持透析下の高リン血症患者が対象で、同発表要旨は学会ウェブサイト(https://www.asn-online.org/education/kidneyweek/)から閲覧可能。 

 

【試験概要】 

同試験は、維持透析下の高リン血症患者を対象とした多施設共同、プラセボ対照二重盲検ランダム化並行群間比較の第3相試験。 

 

スクリーニング期間、最長3週間のウォッシュアウト期間、8週間の治療期間の三段階で実施した。 

 

スクリーニング期間の血清リン濃度が3.5 mg/dL以上6.0 mg/dL以下(CKD-MBDの診療ガイドラインⅰにおける推奨範囲)の患者を登録し、リン吸着薬をウォッシュアウト後、血清リン濃度が6.1 mg/dL以上9.9 mg/dL以下の20歳以上の患者をプラセボ群と本剤群に1:1の割合でランダムに割り付けた。 

 

同剤の用法・用量は、1日2回、1回5mgから投与開始し、血清リン濃度に応じて1回投与量を5、10、20、30 mgの範囲で調整した。 

 

主要評価項目は、投与開始8週後の血清リン濃度のベースラインからの平均変化量とした。 

 

 

【主な試験結果】 

164人の被験者をプラセボ群と同剤群に82人ずつ登録。主要評価項目の血清リン濃度の変化量は、プラセボ群では0.05 mg/dLに対し、同剤群では−1.89 mg/dLとなった(両群の差は−1.95 mg/dL、[95%信頼区間:−2.37 mg/dL, −1.53 mg/dL]、p<0.0001)。 

 

両群で最も多く発現した有害事象は下痢(プラセボ群19.5%、本剤群74.4%)で、ほとんどの下痢の重症度は軽度。  

 

【結 論】  

維持透析下の高リン血症患者では、同剤はプラセボと比較して血清リン濃度を統計学的有意に低下させることを示した。 

 

同試験の安全性プロファイルは、これまでに実施した国内臨床試験と同様。新たな安全性の問題は認められなかった。 

 

同結果から、本剤は維持透析下の高リン血症治療における新たな選択肢となる可能性が示唆された。