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中外製薬、クロバリマブの中国P3で主要評価項目達成

中外製薬は12月20日、12月11日にロシュが中国で実施した第3相COMMODORE3試験の肯定的な新データを発表した。同データは、新規抗補体C5リサイクリングモノクローナル抗体クロバリマブの発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH:paroxysmal nocturnal hemoglobinuria)に対する有効性および良好な忍容性が示した。 

 

有効性で設定された二つの主要評価項目の輸血回避(TA:transfusion avoidance)と溶血コントロールはいずれも達成した。補体阻害剤による治療歴がなく、4週ごとにクロバリマブの皮下投与を受けたPNH患者の疾患コントロールが示された。同データは、2022年12月10-13日に開催された米国血液学会(ASH:American Society of Hematology)総会で発表した。 

 

 COMMODORE 3試験には、主要試験期間中にクロバリマブを4週ごとに皮下投与したPNH患者51例のデータが含まれていいる。試験結果により、疾患コントロールの指標である溶血コントロールとTAの二つの有効性に関する主要評価項目が達成された。 

 

投与期間第5週から第25週までに溶血がコントロールされていた被験者の平均割合は78.7%(95% CI:67.8%、 86.6%)だった。 

スクリーニング前24週間以内にTAを達成した被験者の割合(0.0%)とベースラインから25週までにTAを達成した被験者の割合(51.0%)の差は統計学的に有意だった(p<0.0001)。TAは、治験実施計画書に規定されたガイドラインに従って輸血が不要となった患者と定義されている。輸血の必要性は、PNHにおける補体調節異常に起因する溶血の重要な臨床的指標。 

 

 また、溶血のコントロールが失われたことを示す指標となるブレイクスルー溶血について、ベースラインから25週目までに発生が認められた被験者の割合は3.9%(95% CI:0.7%、 14.6%)で、ヘモグロビン安定化を達成した被験者の割合は51%(95% CI:36.8%、 65.1%)。 

 

FACIT-Fatigue Scaleでの評価により、クロバリマブ投与後2週間以内に疲労状態の急速かつ臨床的に意義のある改善が報告され、経時的に持続した。安全性データ全般は、抗補体C5抗体および原疾患の既知の安全性プロファイルと同様であり、クロバリマブによる新たな安全性シグナルは特定されず忍容性は良好。 

 

 

【COMMODORE3(YO42311)試験】 

 COMMODORE 3試験は、補体阻害剤による治療歴のない患者を対象として、クロバリマブの有効性、安全性、薬物動態および薬力学を評価する中国での第III相単群試験。同試験は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH:paroxysmal nocturnal hemoglobinuria)患者51例を対象とし、クロバリマブを4週ごとに24週間皮下投与した。 

同試験に登録された被験者には、負荷投与として1日目に静脈内投与をし、その後、1週目の2日目、2週目、3週目と4週目と4週間にわたりクロバリマブを週1回皮下投与した。 

 

維持用量のための皮下投与は5週目に開始し、その後は24週間まで4週ごとに投与を継続した。クロバリマブ投与24週間後、本剤によるベネフィットが得られた被験者は、引き続きクロバリマブの投与を受けることができる。